「ここさけ」読んでみた~【心が叫びたがってるんだ】【感想】【ネタバレ注意】

 どーもこんにちはの方はこんにちは!それ以外の方はおはよう、こんばんわ、はじめましてということで碧麒麟です!

 前回はリゼロ映画についてのネタバレ込みな感想でしたけれども読んでいただけたでしょうか?まぁ、それは置いといて。

 今回はタイトル通り、「ここさけ」、「心が叫びたがってるんだ」についてレビューみたいなことをしていこうと思います(笑)

 まぁ、かなりの話題となったアニメ映画でしたから見た人も多いのではないのでしょうか?「あの花」スタッフが手掛けたことでも有名ですね。ちなみに主はアニメ版は見ておりません(おい)というわけで今回は漫画版の感想になってしまうのですが、タイトルと違うじゃねぇか!って思ってもツッコまないでください…ごめんなさい…

 

~全体的な感想~

 かなり心に来る作品だなっていうのが正直一番の感想ですね。特にこの作品では「言葉」「言う」という行為に注目されているのが一番の特徴だと思います。本音を言えない高校生達がそれぞれの葛藤をかかえつつ閉ざしていたこころを次第に開いていく様は涙なしでは見れなかったです…最後にはみんな打ち解けていたのはよかったと思います。

~あらすじ~

 地域の人たちとのふれあい交流会をひかえた中、先生によって実行委員が選ばれる…選ばれたのは、本音を言わない川上拓実、過去のトラウマから言葉を発せない成瀬順、過去のことから川上とすれ違う優等生チアリーダー仁藤菜月、けがの一件で心にイライラを抱え込む野球部エース田崎大樹…ばらばらな四人を中心にふれ交への準備をすることに。やるのはなんとミュージカル!?はたしてうまくいくのか…?そして心に素直になれるのか…?という感じの物語になっています。

~描写について~

 今回キーとなる描写は間違いなく卵です。と思いました。卵ってすごい秀逸だなぁと思う表現でした。卵は殻に覆われているので殻に閉じこもるという表現があるように、心を閉ざしているという表現になっており、また割れやすいことから、壊れやすい思春期の心をホントによく表しているなぁという感じです。ただ、元が映画だからかな?尺の都合上仕方のない部分ではあるが、恋愛描写がすごい飛ばしているので、ややもったいないかな?と思いました。特にラストの方でもピックされる部分ではあるので、実にもったいなく感じました。一応四人の男女が主役になっているが、やはり、成瀬順と川上拓実の二人へ焦点が集まりがちなのでこの二人が結ばれるような展開かな?と思わせるシーンが多いにも関わらず、成瀬さんがフラれるのはなんだかなぁっていう感じでした。人を傷つけることになったとしても本音を言うことにテーマを置いている本作だからこういう流れにしたとすれば納得は行くが、やはり明確な動機が見えてこない。そんな印象ですね…成瀬さんの心理描写が丁寧に描かれている分、川上君、そして仁藤さん、田崎君の恋愛描写が欲しいなと…特に坂上君はなんとなくで仁藤さんと付き合って、なんとなく距離ができて、なんとなくよりを戻したみたいで納得しづらいですね…あれだけ成瀬さんとのフラグガン立ちだったから余計にって感じです。そのほかの点では過去の自分との葛藤や思春期特有の衝突、フィクション感の少ない人間味あふれるキャラ設定など、非常に入り込みやすい作品だと思います。特に、この中心となる四人以外は比較的本音を出している描写が非常に多いため、余計に本音が言えていないこの四人が対比的に引き立っているという点が作品として非常に巧さを感じました!

 ~感想~

成瀬ちゃんがめちゃくちゃ可愛い!もうとにかく可愛いですね!もともとおしゃべり大好きな子で、感情豊かな子だという過去の描写から、しゃべれなくなった現在でも、身振りや表情から感情がよく伝わってくる様が非常に可愛いですね。あとこの物語では大人のエゴや、周りからの圧力、自分自身の葛藤、プライド、様々な要因があって言えない本音があるということを改めて思い知らされました。無論現実世界で本音ばかり言ってはいられませんが、隠して後悔するぐらいなら思い切って言ってみることもいいのかな、と思いました。そして、この作品でもう一つ感じたのは、失敗によるトラウマを乗り越えていくということ、そして、チャレンジや他者との関りによってなにかを見つけることの素晴らしさです。無論簡単なことではないということもこの作品では描かれています。そういう点においても、かなり考えさせられる素晴らしい作品だと思いました。先述の通り、恋愛描写部分が物足りなさを感じますが、それを差し引いても心動かされる名作中の名作なので、読んでみる、あるいは映画を見てみることをオススメします!

~最後に~

今回批判的な意見を出してしまいました。そのために気分を害された方がいらしたのであれば、申し訳ありません。しかし私としてもこの作品は一読に値する素晴らしい作品だという認識でいます。そのことへの理解をどうかよろしくお願いします。それでは今回はこの辺で。次回またお会いしましょう。